OBBレイルジェット
日本の旅行会社に鉄道チケットを卸し続けて20年以上、 そんな鉄道マニア 白川純 がお届けするヨーロッパ鉄道の“奥が深い話”シリーズ。
今回はオーストリアの高速列車 レイルジェットのお話です。
レイルジェットの運行路線
オーストリアを中心に隣国のスイス・ドイツ・チェコ・ハンガリー・イタリアに乗り入れており、2019年から新たにスロバキアにも乗り入れスタート。
また、Wien – Salzburg間においては2つの名称に分けてOBBレイルジェットが運行しています。
- 通常のレイルジェット
- レイルジェットエクスプレス(一部の駅を通過して快速運転)
実際に運行しているのに検索結果に表示されない
ウィーンから観光地のハルシュタットへ行く場合、AttnangPuchheim駅という駅で在来線に乗り換えになります。ただ何故かネット上の多くの検索エンジンではOBBレイルジェットが検索結果に表示されない状態(2018年12月現在)になっています。
Wien⇔AttnangPuchheim間には実際には下記の2種類の列車が運行しています。
- 通常のOBBレイルジェット(国鉄):日本で乗車券を購入できる
- ウエストバーン(私鉄):日本で乗車券を購入できない
私がチェックしたところ多くの検索エンジンでは私鉄のみ表示されている状況を確認できました。
この状況に気づいていない方はハルシュタットへ行くまでの切符を日本で用意できないと間違って思い込んでいるのではと懸念しております。
OBBレイルジェットとウェストバーンの両方が正しく検索結果表示されるのはオーストリア連邦鉄道のオフィシャルサイトでのみ検索結果に表示されています。
ヨーロッパ鉄道チケットセンターの『おまかせ予約』で申し込みをすると、ネット上の多くの検索エンジンでは表示されていない列車も含めてお勧めの列車で回答をもらえます。
2つのタイプ
OBBレイルジェットにはOBBタイプとCDタイプの2種類あります。
製造された順番を時系列でお話すると
- オーストリア連邦鉄道のOBBレイルジェット(OBBタイプ)が製造される
- 隣国のチェコ鉄道のCDレイルジェット(内装が異なる)が製造される
- オーストリア連邦鉄道のOBBレイルジェット(CDタイプ)が製造される
CDタイプは隣国のCDレイルジェット(チェコ鉄道所有)と同じ座席配列で製造されています。
OBBタイプとCDタイプとを比較するとOBBタイプの方が1等ビジネス座席エリアや1等普通座席エリアも広くて格上に感じます。
どちらのタイプかを見分ける方法は一般の方には難しいですが、予約時の見分け方の一つとして下記の方法があります。
- 25号車が1等座席で確保できた場合:OBBタイプ
- 25号車が2等座席で確保できた場合:CDタイプ
ヨーロッパ鉄道チケットセンターの『おまかせ予約』で申し込みをすると、回答時にどちらのタイプで確保できたかが明記されている回答をもらえます。
様々な種類の座席
大きく分けると次の3種類に分かれます。
- 1等ビジネス座席(全席指定)
- 1等普通座席(任意予約)
- 2等普通座席(任意予約)
※任意予約の座席:満席でも立って乗車できますが必ず座れる確約として指定券を追加購入できる座席
ヨーロッパ鉄道チケットセンターの『おまかせ予約』で申込むと、人数や年齢を考慮して進行方向や景色の妨げとなる柱の位置を避けた座席などのお勧めの座席配置を手配してもらえます。