1等ビジネス座席~OBBレイルジェット編~

日本の旅行会社に鉄道チケットを卸し続けて20年以上、 そんな鉄道マニア 白川純 がお届けするヨーロッパ鉄道の“奥が深い話”シリーズ。
今回はオーストリアの高速列車 レイルジェットのワンランク上の座席のお話です。
1等ビジネス座席とは

1等普通座席とは別にワンランク上の1等ビジネス座席という座席がある。
ふくらはぎの下までサポートするフットレスト付きの座席です。
独特な座席配列

独特な座席配列で下記の3種類の座席があります。
- 三人セミコンパートメントが2部屋
- 四人セミコンパートメントが2部屋
- 一人掛け座席が2席
一人掛け座席においては車両中央部にあるビジネスエリアの入口を入ってすぐのところに右側と左側の2席ありますが、右側の方が椅子の横に荷物を置けるデッドスペースがあるのでお勧め。
2名で利用する場合は、三人セミコンパートメントで進行方向の隣同士座席をお勧め。他人が1名座る可能性はありますが、他1名の予約が入らず三人セミコンパートメントを2名で貸切状態で利用できるケースが実際には多いです。
差額はおいくら?

1等普通座席と1等ビジネス座席との差額は1500円だけ(2018年現在)。
コストパフォーマンス抜群の座席です。
1等ビジネス座席の注意点

OBBレイルジェットには下記の2種類があります。
- OBBタイプ
- CDタイプ
今までお話してきたのはOBBタイプのOBBレイルジェットのお話です。CDタイプは状況が異なります。
CDタイプとは、隣国チェコ鉄道(CD)がシーメンス社に発注したチェコ版レイルジェット(CDレイルジェット)を、そのまま外装をオーストリア連邦鉄道カラー(赤)に塗り替えて運行している列車。

CDタイプは1等普通席と1等ビジネス座席との間にはパーテンションなどもなくOBBタイプのような優越感はありません。単純に座席のクオリティが高いだけです。上記写真の手前が1等ビジネス座席、奥が1等普通座席。

ただCDタイプの1等ビジネス座席はお勧めしないというわけではありません。場合によってはお勧めする時もあります。
上記のCDタイプの1等普通座席の座席配置を注意して見ると、ほとんどの座席が一方の方向に向いていることに気づきます。もし右に向かって列車が出発した場合、ほとんどの1等普通座席が進行方向逆向きになってしまいます。
その時に1等ビジネス座席にだけには進行方向の座席が3席あることに気づきましたでしょうか。
OBBタイプの1等ビジネス座席には負けますが、CDタイプの1等ビジネス座席も進行方向によってはお勧めすることもあります。
ヨーロッパ鉄道チケットセンターの『おまかせ予約』で申込むと、どのタイプのレイルジェットであるかを確認して、これらのお話の内容を考慮したお勧めの座席配置を手配してもらえます。