TGV Lyria
日本の旅行会社に鉄道チケットを卸し続けて20年以上、そんな鉄道マニア 白川純 がお届けするヨーロッパ鉄道シリーズ
今回はフランスとスイスの間の高速列車TGV Lyriaについてのお話です。
スイス線TGVは私鉄?
TGVと言えばフランス鉄道(SNCF)の高速列車として有名です。
フランス鉄道は全てのTGVの名称を2020年までにinOui(イヌイ)という名称に変更すると発表しています。
TGVはフランス国内だけでなく下記の5つの隣国にも乗り入れています。
- フランス-スイス線
- フランス-ベルギー線
- フランス-スペイン線
- フランス-イタリア線
- フランス-ドイツ線
フランス-スイス線はスイス国鉄(SBB)の資本が入っていてフランス鉄道(SNCF)と共同運営になっています。
言い過ぎかもしれませんが、”乗り入れ”ではなく“私鉄”のような感じです。
そのため他の路線のTGVとは異なり、「Lyria」という名前がついています。
そういう事情からフランス鉄道が発表したTGV名称変更の影響を受けないと私は予想しております。
様々な料金体系
Lyriaにおいては、下記の3つの料金設定になります。
- 大人正規料金(食事サービスあり (注意1 )
- 早期割引料金
- 鉄道パス割引料金
注意1:毎週土曜と夏休み(2022年度はを除く07月14日~08月21日)は食事サービスなし
ユーレイルパス所有者は割引が適用されるのか?
ユーレイルパス所有者は割引が適用されます。
2018年から下記の2種類になりました。
- 鉄道パス割引1:スイスとフランスの2か国適用のユーレイルパス所有者
- 鉄道パス割引2:Paris⇔Basel間 及び Paris⇔Geneve間 及び Marseille⇔Geneve間 の3区間のみフランス側のみ適用のユーレイルパス所有者
食事サービスが復活
Lyriaは他のTGVと異なり1等の大人正規料金は土曜日以外は食事サービスがあります。
早期割引料金は食事サービスがございません。
ちなみに、ParisLyon駅構内にあるGrandVoyageurラウンジは、大人正規料金でも早期割引料金でも1等のチケットであれば利用可能です。
TGVの車両
TGVに連結されている車両は下記の3種類です。
- 1等車両:通路挟んで1席+2席の並び
- 2等車両:通路挟んで2席+2席の並び
- ビュッフェ車両
TGVに個室はあるの?
Lyriaの最後尾にある一般の座席から離れた16席あるエリア(個室)がある。
ここは16名以下のグループ旅行でよくご案内しているエリアです。
添乗員のストレスになるのは荷物の管理。
実は荷物を通路においてはいけない というルールはない。
通路に荷物を置いて他の乗客に迷惑をかけてはいけないというルールはあります。
よって、個室を貸切ってしまえば他の乗客が通路を使用することがないので、荷物置場が満杯でも残った荷物を個室の通路に入れ込んでしまえばOK。
グループ手配に関しては、各機材の特徴を熟知して荷物管理がしやすい手配のテクニックは他にもあります。
ヨーロッパ鉄道チケットセンターの鉄道マニアが手配すると、そういったテクニックをつかった手配が可能です。
切符を購入する時に注意すべき事
チケット手配時に使用しているテクニックは
- リクライニングしても気を遣わない後ろが壁の座席
- テーブル付一人掛け座席の向かい合わせ
- 2階建て車両の眺めの良い2階席
- 景色の妨げとなる柱の位置を避けて確保
- 荷物置き場近くの座席
- 様々な割引料金設定
などなど、機材によっていろいろなテクニックがあります。
ヨーロッパ鉄道チケットセンターでは鉄道マニアが人数や年齢でお勧めの座席を確保します。